悪党にも良心はある。 マレイアは時々、自分が引き起こしたトラブルによって罪のないモンスターたちが苦しんでいることを申し訳ないと感じている。 他のモンスターの世界を継続的に破壊しようとしたり、他のモンスターからとても貴重な所有物を盗んだり…そういった些細なことに罪を感じているのだ。

ある日、盗んだ物が並べられたキャビネットを見たマレイアは思った。「母ちゃんが生きてたら、絶対俺のことを誇りには思わないだろうな」と。 マレイアはため息をつき、その場から立ち去ろうとした。その時急にキャビネットの中で何かが揺れ始めた。 マレイアは振り返ったが、キャビネットから何かキラキラと光る粉が浮かび上がっている様子しか見えなかった。 マレイアのアジトではしょっちゅうおかしな魔法の効果が見られたため、マレイアは「いつものことか」と肩をすくめ、出て行った。

ところがその大したない出来事が起きた数ヶ月後、超悪玉マレイアのアジトのドアベルが鳴った。 ドアを開けたマレイアは、開いた口が塞がらないほどびっくり仰天した。 そこにいたのは、史上最も優秀な魔女と言われていたフロマ、すなわちマレイアの「母ちゃん」だった。 マレイアが最後に母ちゃんを見たのはお葬式の時だった。

「ちょっとあんた、母ちゃんが何も知らないと思ったら大間違いよ。あんたは家族の伝統に泥を塗ったのよ!」フロマはそう言うと、マレイアの言い訳を聞くことなく、くるりと踵を返し、歩き始めてしまった。

「母ちゃん?母ちゃんってば! 生きてたのかよ!一体どうやって? おい、どこに行くんだよ?」驚いたマレイアは叫んだ。

「家族の名誉を回復するんだよ。 あんたのせいで…私まで悪い奴としてみんなの記憶に残るなんて…冗談じゃないよ」フロマはうんざりした様子でそう言い放ち、夜の闇へと姿を消した。

「母ちゃん、待ってよ!許してくれよ!」

ところがフロマは振り返ることなく立ち去って行った。

フロマは回避とプラスの効果除去のスキルを持つ魔法属性のサポートモンスター。 マイナスのステータス効果を取り除くか、回避を適用することで、味方を助けることができるが、敵に呪いをかけるのと同時に敵の特性を無効化することもできる。 フロマは進化する特性を持っている。 ランク0では失神耐性があり、ランク1になると硬化を得る。ランク2になると攻撃実行モンスターになり、範囲体力再生力を適用できるようになる。